著者
高林 実 中山 兼徳
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.32-36, 1978-06-25 (Released:2009-12-17)
参考文献数
10
被引用文献数
2

当場畑作部, 当年産の10種の雑草種子を土壌とともに円筒につめて圃場の20cm深に埋蔵し, 4年半にわたり円筒を掘り出して, 種子の出芽率を調べた。また, メヒシバのみについて, 当年産種子を圃場の5, 20cm深に埋蔵し, 以後, 春と秋に埋蔵の深さを変える処理も加え, 2年半にわたり円筒を掘り出して, 種子の発芽率を調べた。(1) 土中埋蔵4年半後でもなお8割以上出芽し, 相対的に生存年限の長い草種はカヤツリグサ, ツユクサ, シロザであった。エノキグサは4年半後で半年後の出芽数の半数近くの出芽数を示した。(2) オオイヌタデ, スベリヒユ, イヌビユは2年半後までは10%以上の出芽率を示したが, 4年半後では大部分が出芽力を失った。(3) メヒシバ, ヒメイヌビエ, クワクサは2年半後で出芽率が10%以下となり, 生存年限は他の7草種に比べ短かった。