- 著者
-
髙橋 康二
中島 香織
佐々木 智章
山品 将祥
高林 江里子
大崎 能伸
北田 正博
- 出版者
- 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
- 雑誌
- 肺癌 (ISSN:03869628)
- 巻号頁・発行日
- vol.57, no.4, pp.278-285, 2017-08-20 (Released:2017-09-08)
- 参考文献数
- 23
目的.根治切除術を施行した非小細胞性肺癌N2群の予後をより正確に予想するため,各肺葉のリンパ経路図を作成し,N2群の層別化を行った.方法.肺のリンパ経路をlevel 1:肺実質からN1まで,level 2:N1からN2まで,level 3:N2間,の3 levelに分類した.585例の肺ヒストプラズマ症初感染群のCT所見を観察し,各肺葉のリンパ経路図を作成した.結果.Skip転移は肺葉により特異的で好発部位が決まり,右上葉は右下傍気管リンパ節(#4R),左上葉は大動脈下リンパ節(#5),両側下葉では肺靱帯リンパ節(#9),傍食道リンパ節(#8)であった.右中葉ではskip N2転移はまれであった.縦隔リンパ節転移の好発部位は,右上葉は右下傍気管リンパ節(#4R),右中葉と下葉が気管分岐リンパ節(#7),左上葉が大動脈下リンパ節(#5),左下葉が肺靱帯リンパ節(#9L)であった.結論.リンパ節転移に関与したリンパ経路のレベルにより,非小細胞性肺癌N2群を,minimal,early,advanced N2の3群に層別化した.