著者
高柳 直弥
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.62-67, 2019-02-01 (Released:2019-02-01)

日本における企業博物館は,一方では産業や技術に関する資料の収集や保存を担う産業博物館的な施設として,もう一方では企業のコミュニケーション活動の道具として認識されながら発展を遂げてきた。近年では,後者のように設置企業における役割に限定するのではなく,自社業界の歴史に関する理解促進など,前者としての役割を兼ね揃えた企業博物館も増加している。また,後者としての発展に関しても,従来のように企業イメージの形成に関係する領域として,展示内容やレイアウトの編集方法を洗練させることだけではなく,資料の収集や研究といった博物館としての機能の強化も重要な課題となっている。