著者
高梨 武彦
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.1-8, 2007-07-31 (Released:2017-07-11)
参考文献数
28
被引用文献数
2

森林施業にあたって汎用されてきた指針は単位面積当たり本数である。木材生産とちがい森林風致施業の場合、本数の指示だけでは森林の風致の向上程度がわかりやすく表現できていない。林内の風致には見通しと明るさの確保が重要であり、これを反映する森林風致施業のための数値指標を考察した。林内の見通しと明るさにかかわる主因子を単位面積当たりの本数・胸高直径・枝下高・林床植生高・樹冠疎密度と判断し、これら因子より「枝下空間量」と「胸高直径指数」という関数を導き出した。それは施業による林内の風致の向上にむけた見通し距離・相対照度の想定を可能とし、森林風致施業の指針となることを示した。