- 著者
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有馬 博
高橋 敏秋
- 出版者
- 信州大学農学部
- 雑誌
- 信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.2, pp.p37-52, 1975-12
1 前報3)のSU-74型加工トマト収穫機試作にひき続き,1975年にSU-75 FS型加工トマト選果機を試作し実験した。2 この選果機は歩行型クローラ台車にホッパー,さん付きバーコンベア,平ベルト逆転式選別コンベア,選果台その他からなる選果装置を搭載した小型の一挙収穫用作業機である。3 作業車は2~8名としうち1~3名がホッパーへ果実を振り落とす。果実はバーコンベアで搬送され逆転コンベアできよう雑物を除去されたのち選果台に達する。他の作業車は,選果台附近にいて熟度選果を行い出荷可能果を畦上のコンテナへ収容する。4 台車から選果装置を取り外し,代わりに荷台を搭載すればコンテナ運搬車として利用できる。5 ほ場実験の結果,果実収穫作業,コンテナ運搬作業とも従来の作業方法の約2~3倍の作業能率(kg/人/分または箱/人/分)をあげることができ,果実の損失もなかった。6 この選果機は単純小型の構造で品種や栽培条件に制約を受けることが少ないので国内の栽培地へただちに導入できるであろうと推察された。