著者
松島 憲一 坂本 奈々 澤田 純平 藤原 亜沙美 牧内 和隆 根本 和洋 南 峰夫
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 = Journal of the Faculty of Agriculture, Shinshu University (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.25-37, 2015-03

信州大学は環境教育の一環として環境教育海外研修を毎年実施しており,2014年には3月1日より3月11日までの11日間に4名の学生をネパールに派遣し,首都カトマンズおよびダウラギリ県ムスタン郡マルファ村において調査ならびに研修を実施した。本報では本研修において訪問した,環境に優しい電気自動車による乗り合いタクシー(サファ・テンプー)の運営会社Nepal Electric Vehicle Industry社およびバイオブリケットの普及を通じ環境問題と貧困問題の改善を進める団体Centre for Energy and Environment Nepalに対して実施した聞き取り調査の結果を報告する。また,トリブバン大学理工学部環境科学科において実施した学生交流においてディスカッションされた内容,さらには滞在中に実施した環境意識調査(アンケート調査)の結果もあわせて報告する。
著者
大井 美知男 神野 幸洋
出版者
信州大学農学部
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.83-92, 1999 (Released:2011-03-05)

長野県に現存するカブ・ツケナ類の在来13品種(諏訪紅蕪,羽広菜,源助蕪菜,赤根大根,王滝蕪,開田蕪,細島蕪,吉野蕪,木曽菜,保平蕪,稲核菜,野沢菜,雪菜)の来歴,栽培地域,生態的特性および栽培と採取法について1997年と1998年に現地調査を行った。なお,品種の生態的特性については信州大学農学部実験圃場でも調査した。過去に長野県内で栽培されていたことがいくつかの文献に記載されている10品種(黒瀬蕪,木祖村蕪,三岳蕪,源助蕪,駒ヶ根蕪,小谷在来蕪,マナ蕪,相木在来蕪,苅野蕪,神代蕪)については所在が不明で,消滅したものと思われた。
著者
木平 勇吉
出版者
信州大学農学部
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.111-134, 1986 (Released:2011-03-05)

北米大陸を代表する森林地帯であるワシントン州の森林の現状と利用の動向とを林業経営の観点から調査した結果を報告する。資料の多くは大学,州天然資源局,アメリカ林野庁等の出版物に基礎を置いているが,現地踏査および林業関係者との討論を通じて得た著者の視点で本論は構成されている。なお,これはワシントン大学における在外研究の一部であり,調査実施,原稿校閲についてProf. Dr. G.F. Schreuderから専門的な助言を受けた。本論は次のような構成になっている。(1)地理・地形・気象をとりあげワシントン州の森林の自然立地を明らかにした。太平洋に接した多雨温暖な州の西側は樹木の生育に絶好の立地を備えている。しかし,カスケード山脈を境にして州の東側には極端な乾燥地帯が広がり森林の生存には厳しく著しく対照的である。(2)森林区分・分布を明らかにした。マクロな植生区分ではこの州は北米大陸の中で太平洋森林帯および内陸砂漠・かん木帯に属しておりカスケード山脈を中心にして,西側にはDouglas fir, western redcedar, western hemlockを主要樹種とする高木針葉樹林が広く分布し,乾燥する東側では疎なponderosa pine林と広葉樹かん木林とが散在する。(3)森林の所有形態は国・公有が60%を占めるが連邦政府林野庁,国立公園局,内務省(インディアン局・土地管理局)およびワシントン州天然資源局に分かれて異なった目的で経営されている。私有林の半分は製材工場をも備えた大林業会社でもっぱら木材生産のために経営されている。森林が経営林と非経営林に明らかに区分されているのが特徴で所有形態・経営目的に合わせて人工林割合とその林齢構成に著しい相異が見られる。(4)育林と生長をとりあげ基本的な施業タイプとそれに見合う生長予測とを調べた。施業の集約度により収穫量は大幅に異なり,育林投資と木材生産との経済性に強い関心が向けられている。(5)森林の利用・経営については19世紀の土地開拓・森林開墾時代,1890~1960年代の木材生産時代,1960年代以降の多目的利用という歴史的な変遷に要約される。その流れの中で多目的な森林の利用のための経営の理念と社会的な価値観とが生じて来た。同時に保続収穫の考え方が明らかになってきた。(6)森林計画制度として,国・国有林では国家計画,地域計画そして単位国有林計画の相互調整が行われると同時に,単位国有林ごとに施業計画と環境影響評価について幾つかの代替案が提示され,森林の公共的役割に対する地元住民および広く国民の意向を計画に反映させることが制度化されている。(7)木材収穫予測の試算から今後30年間は現在の水準の木材供給の能力があるが,施業の集約度しだいで森林資源量の将来水準は大きく変化する。(8)この州の森林の持つ社会的機能については野外レクリエーション,水保全,魚・野生動物管理,牧草供給,鉱山,厳正自然保存の役割が大きく経営の重点が置かれている。この州の森林の経済効用として木材生産が漸減するのに対し,レクリエーションおよび河川の魚資源(サケ)の比重が高まり,ワシントン州における産業,就労の場として大きな比重を保ち続ける。
著者
茅原 紘 中川 賢司 只佐 弘治
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.1-8, 1996-12

アラキドン酸(AA)のシクロオキシゲナーゼ系代謝産物の一つであるトロンボキサンA2(TXA2_)は,血栓症や動脈硬化症の発症に深く関与している事が知られており,近年,TXA2生合成の選択的抑制についての研究が多くなされる様になって,天然物及び合成物から活性物質が見いだされてきた。しかしハーブ類に関するこの種の研究はほとんどなされていない。本実験では従来ハーブの中で血液及び循環器系に対して何らかの効果があるとされているハーブ13種類を選出し,主としてAAによって惹起される血小板凝集の抑制能を調べた。その結果,バジル,ゲラニウム,ジャスミン,ペパーミント及びローズウッドに顕著な抑制能が観察され,ジュニパー及びネロリもかなり高い阻害能を有する事が判った。更に,ハーブ精油成分について抑制能を調べた結果,オイゲノール及びカルバクロールに強い抑制能が見られ,特にオイゲノールは0.75μMの濃度で完全に抑制した。最後に,被験物質がアラキドン酸カスケードのどの段階に作用しているかを調べた結果,シクロオキシゲナーゼの活性を抑制しているか,またはアラキドン酸に直接作用している可能性を示唆する結果を得た。 本研究は最近特に注目されだした芳香療法(アロマテラピー)の分野において,血栓症や動脈硬化症の予防および治療を目的としてハーブの種類を選択する際の指針を提供するものと考える。
著者
千 裕美 唐沢 豊
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1-10, 1997-09

長野県伊那市において,信州ダチョウ研究会の会員をパネラーとして,ダチョウ肉料理の嗜好調査を行った。ダチョウ肉の刺身,カツ,たたき,寿司,ステーキ,カルパッチョおよびサウスウエストローストの7つの料理を嗜好調査に用いた。 ダチョウ肉の刺身,カツ,たたき,寿司およびステーキの5つの料理と,馬肉の刺身,トンカツ,牛肉のたたき,マグロ寿司,牛肉ステーキとをそれぞれ比較した。その結果,外観,テクスチャー,フレーバー,味および総合評価のいずれにおいても,寿司を除く4種類の肉料理で,ダチョウ肉を用いた料理が他の肉よりも嗜好性が高かった。年齢が上がる程,ダチョウ肉の刺身,カツおよびたたきの嗜好性は高くなった。 7種類のダチョウ肉料理の中で,嗜好性の高かった料理は,たたき,カツ,刺身,ステーキの4種類であった。カルパッチョは,女性に最も好まれる料理であった。
著者
鈴木 茂忠 宮尾 嶽雄 西沢 寿晃 志田 義治 高田 靖司
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.p61-91, 1975-12
被引用文献数
2

The Kiso-Komagatake is one of the main mountains in Kiso Mountain Range, which rises nearly on the middle of Japan main land, that is, on the western side of the Ina Basin in Nagano Prefecture, forming the watershed between the Rivers Kiso and Tenryu. The highest summit is as high as 2,956m above the sea level. One can in a while attain the height of 2,500m above the sea level from the City Komagane (600m high) by means of bus and then ropeway and many tourists visit the mountain throughout the year. This, together with extensive amount of wood cutting, has contributed to the rapid deterioration of the nature. As for the botanical distribution of the mountain, Pinus pumila is predominant in the alpine zone, higher than 2,500m above the sea level, Abies mariesii and Tsuga diversifolia in the sub-alpine zone, 1,500-2,500m high, and Quercus crispula in the lower zone, lower than 1,500m. Cultivated lands and village can be found in the zone lower than 900m above the sea level. The natural flora is confined to the subalpine zone and the lower zone is mostly occupied by the secondary forest, mainly consisted of Larix kaempferi. To obtain the general distribution of small mammals on eastern slope of the Kiso-Komagatake, the authors have carried out the collection and survey since June 1974. The results are as follows : 1) The collection was made with snap traps at 6 places of different height, ranging 950-2,640m above the sea level on the eastern slope, and the following species were obtained : Insectivora Sorex shinto alt. 1,500-2,640m Crocidura dsinezumi alt. 1,200m Dymecodon pilirostris alt. 1,300-1,700m Urotrichus talpoides alt. below 1,300m Rodentia Glirulus japonicus alt, 1,700m and 1,300m Clethrionomys andersoni alt. 1,300-2,640m Eothenomys kageus alt. 1,200-1,500m Microtus montebelli alt, below 1,200m Apodemus speciosus alt. 950-1,500m Apodemus argenteus alt. 950-2,640m Rattus norvegicus alt. 2,640m around the ropeway station, hotel and restaurant in the alpine zone. The widest distribution was shown by A. argenteus, being found at any place in the altitude of 950-2,640m. The species which was distributed from the sub-alpine to alpine zone was S. shinto and C. andersoni. D. pilirostris was native to the forest of sub-alpine zone. C. andersoni and E. kageus are both forest dwellers, the former species is used to live in above 1,300m and the latter live in below it. The distribution border between D. pilirostris and U. talpoides was also at the altitude of about 1,300m. M. montebelli generally inhabits in cultured land, grassy plain and young forested land. In the Kiso-Komagatake, however, this species did not distribute in higher altitude than 1,300m even when the habitat was sufficient. This is probably because of very steep slope of the mountain side. R. norvegicus inhabited around the ropeway station, hotel and restaurant in the alpine zone, propagating themselves even in very severe cold conditions. The higher the altitude of the population of A. argenteus, the later the beginning of propagation in spring occured. 2) In the zone, ranging 1,300-1,500m above the sea level, small mammals were caught with snap traps in three Larix kaempferi-afforested lands of different age and the relation between forest age and species of small mammals was examined. A. speciosus was found in the sapling and the young forest but not in the grown forest, while a large amount of A. argenteus was found in the grown forest according to Apodemus Index. C. andersoni was not found in the sapling, while E. hageus was relatively large amounts in the sapling and the young forest, though absence in the grown forest. 3) In a few Larix kaempferi forest in the altitude of 1,300m, movements of A. speciosus and A. argenteus were followed up for 7 days by the use of alive traps. The distance of two traps which caught the same individual in two consecutive nights was measured with the following results :In case of A. speciosus, it was 11.3m (mean for 5 cases) in June and 21.0m (mean for 4 cases) in August. The mean for June and August was 15.6m for 9 cases. In case of A. argenteus, the mean distance in June was 15. 5m for 7 cases. From these figures, the diameter of the home range was calculated, with the result that the mean was 33.1m for A. speciosus and 27.8m for A. argenteus. There was little difference between them.
著者
松本 定
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.55-65, 2009-03

ブータンのシダ植物誌のため、2005年2月27日から6日間、西ブータンを中心に3ヶ所158点、および2007年3月28日から7日間、東ブータンを中心に135点収集した。また東京大学調査隊(1967年)標本585点の再同定を行い、チェックリスト作成中である。この過程でテンリュウヌリトラノオAspleium shimuraeとクマヤブソテツCyrtomium microindusiumを見出し、ブータン新産であった。これらはそれぞれ近縁種のヌリトラノオAsplenium normaleとヒロハヤブソテツCyrtomium macropyllumと混同されていた。また単葉の変わったシダAsplenium delavayiもブータン初記録であった。植物民俗学的知見として、食用によく知られるランダイワラビPteridium revolutumやクワレシダDiplazium esculentumだけでなく、オニヒカゲワラビに近縁なD. maximaやオオイシカグマMicrolepia speluncaeまたはそれらの近縁種が多量に利用されていた。これらは牛など家畜に食べられずに小規模であるが放牧地植生として発達し、特にランダイワラビやイシカグマの仲間は渋みや苦味が強く熱処理料理で食用にされている。また東ブータンにおいてミズスギLycopodium cernuumを使った大臣訪問休憩所の緑門(歓迎門)に出会い、近縁のヒカゲノカズラを含めた、東アジアに広く分布する装飾文化をブータンでも見出した。
著者
渡邉 修
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要
巻号頁・発行日
vol.43, no.1-2, pp.1-7, 2007-03-07

日本国内への外来雑草の侵入を明らかにする研究の中で,大量の雑草種子が輸入穀物から検出され,輸入飼料が雑草の侵入ルートの一つであることが確実となった。イチビ,ショクヨウガヤツリ,ワルナスビなど飼料畑の強害雑草となっている草種について,栃木県那須地域の20km四方の範囲で,GPSを用いて詳細な分布調査を実施し,分布パターンを解析した。分布パターンは草種によって大きく異なり,イチビとショクヨウガヤツリは農耕地に発生が集中し,アレチウリ,オオオナモミ,ブタクサは50%以上が非農耕地で発生が確認された。GPSデータは外来雑草の今後の分布拡大を地理的スケールで明らかにするためのデータベースとして利用可能であり,侵入植物に対する生物資源や生態系保護のための効率的な取り組みに活用できる。
著者
成田 真紀 福田 眞人 平井 勝利 氏原 暉男
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.59-64, 1998-09-30

本論文はケシ(Papaver spp.)の起源と伝播やその栽培や利用について精査し,また薬物の一つで法的には麻薬として扱われている阿片(あへん:けしの液汁が凝固したもの及びこれに加工を施したもの[医薬品として加工を施したものを除く]をいう)について論考したものである。原料となるケシの植物学的記載や日本への伝来・栽培の歴史的変遷についても言及し,更に阿片の医薬品あるいは薬物としての利用及び法的規制の歴史についても考察を試みた。本稿では(1)ケシの原産地と植物学的記載(2)阿片の医薬あるいは薬物としての特性に関する歴史的考察(3)日本でのケシ栽培と阿片の歴史という三項目を立て,今までのケシと阿片の起源と伝播に関する研究を取りまとめ,先行研究ではいまだ解明されていない日本の阿片について史実を明らかにすることを研究の目的としている。
著者
菅原 聰
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.297-313, 1967-12

1.亜高山帯林分が伐採や災害などによって開放された後に成立する2次的天然生林分の構造ならびに生長についての検討を試みたものである。2.基礎資料は1964年8月および9月に岐阜県胡桃島国有林内の2次的天然生林分内で標本点18点を選んで集めた。これらの2次的天然生林分は,シラベ・オオシラベを主体とし,トウヒ・コメツガならびにダケカンバをまじえたものである。3.このような異齢の天然生林分の水平的構造は,いわゆるH. A. MEYERによるいわゆる択伐林型として,すなわち y=k・e-αx y:x-直径階に属する林木本数 x:胸高直径(m) kおよびα:常数 にしたがう分布型として把握してよいことが確かめられた。4.H. A. MEYERの式の常数kおよびαは,ヘクタール当り林木本数,林分平均直径または林分最大直径の函数としてあたえられることも確かめられた。5.地位については問題がいろいろ残ったが,年齢と平均林分直径の函数としてI~IIIの3階級に区分してみた。ここでいう地位の概念はきわめて広義的であり,あたえられた条件下においての生長速度の遅速をあらわすものであると考えてよい。6.以上の地位ならびに本数分配表を手がかりとして胡桃島国有林内の2次的天然生シラベ林分についての簡易生長量予測表を作成してみた。7.この簡易生長量予測表は,いわゆる地方票であり,この地方以外での適用が不可能であることは当然である。8.この簡易生長量予測表を用いての生長量ならびに収穫予測方法は,通常の収穫表による方法と同じである。ただこの場合地位の判定に林分平均直径を用いていることに注意しなければならない。
著者
辻井 弘忠 浅井 貴之
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.p91-98, 1985-12

放牧地における自然交配時の木曾馬の性行動のパターン・回数および複数の牝馬が発情している時の性行動について調べた。その結果、乗駕回数が最も多い時間帯は14:00~16:30、射精の多い時間帯は11:00~14:00であった。種牡馬が発情牝馬に対して、求愛→ペニスの勃起→乗駕→ペニスの挿入→射精の完全な性行動を示したものは約11%にすぎず、他はかなり変則的であった。特に求愛行動なしに乗駕・射精に至る例が19%も存在した。一方、複数の牝馬が発情している場合、種牡馬はランダムに求愛、乗駕行動を示した。また、82回の乗駕行動のうち、種牡馬の一連の性行動が途中で中断し、直ちに別の発情中の牝馬を相手に性行動を始め乗駕する場合が13例みられた。The present investigation was carried out on the patterns and its frequency of sexual behaviour in Kiso stallion under natural mating. Most mounting behaviour occurred from 14:00 to 16:30, and most ejaculation behaviour occurred from 11:00 to 14:00 (Fig. 7). The stallion exhibits distinct phases to estrus mare : courtship, erection and mounting, intromissin and ejaculation. But, the perfectry sexal behaviour in stallion was only 11%, the other was irregular sexual behaviour. Specially, the most irregular sexual behaviour which the stallion mounts to estrous mare; brought in the wake of intromission and ejaculation without courtship behaviour was existence 19% (Table 2). When the plural mares are behavioral signs of estrous, the stallion exhibits at randam courtship and mounting to estrous mares. The stallion breaked on the part of the way internuption behaviour on the first estrous mare, at once he began the sexual behaviour to other mare. These cases existed thirteen-eighty seconds. (Table 3.4).
著者
鴇田 文三郎 細野 明義 石田 哲夫 高橋 富士雄 大谷 元
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.117-127, 1980-12 (Released:2011-03-05)

ネパールは国土は狭いが数多くの部族を擁した国家である。この部族の多彩さは食物と食餌習慣に大きな多様性をもたらし,乳や乳製品の利用と製造法にも際立った特徴が認められ,素朴さの中に豊かな独創性を窺うことが出来る。一般的に言って,ネパールの乳製品は長い歴史を有し,多彩な乳製品は発酵型と非発酵型に大別される。代表的な発酵型乳製品として,それぞれヨーグルト,バター油,チーズの一種であるダヒ(dahi),ギー(ghee),チュルピー(churpi)が挙げられ,また代表的な非発酵型乳製品として乳を濃縮固化したコア(khoa)が挙げられる。本報はネパールにおけるそれら代表的な乳製品の製造法について筆者らがネパールの各地で調査し,得られた知見をもとにまとめたものである。
著者
辻井 弘忠
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部AFC報告 (ISSN:13487892)
巻号頁・発行日
no.1, pp.95-99, 2003-03

鹿追町のエゾシカ牧場の概要について記述した。主な点は,野生鹿のエゾシカを飼育繁殖し,全国の鹿牧場のモデルとなるシカの健康管理および血液検査など実地している。雄シカの幼角(鹿茸)を毎年採取して健康酒の原料提供を行っている。また,鹿肉処理場を設置し冬場の農作業の余剰労力を使って,有害駆除で捕獲されるエゾシカの肉を解体し,部位別の肉の処理ならびにソーセージなどの肉加工を行い,全国向けに販売を行っているなどであった。
著者
大井 美知男 神野 幸洋
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.83-92, 1999-03
被引用文献数
2

長野県に現存するカブ・ツケナ類の在来13品種(諏訪紅蕪,羽広菜,源助蕪菜,赤根大根,王滝蕪,開田蕪,細島蕪,吉野蕪,木曽菜,保平蕪,稲核菜,野沢菜,雪菜)の来歴,栽培地域,生態的特性および栽培と採取法について1997年と1998年に現地調査を行った。なお,品種の生態的特性については信州大学農学部実験圃場でも調査した。過去に長野県内で栽培されていたことがいくつかの文献に記載されている10品種(黒瀬蕪,木祖村蕪,三岳蕪,源助蕪,駒ヶ根蕪,小谷在来蕪,マナ蕪,相木在来蕪,苅野蕪,神代蕪)については所在が不明で,消滅したものと思われた。
著者
松島 憲一 坂本 奈々 澤田 純平 藤原 亜沙美 牧内 和隆 根本 和洋 南 峰夫
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 = Journal of the Faculty of Agriculture, Shinshu University (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.25-37, 2015-03

信州大学は環境教育の一環として環境教育海外研修を毎年実施しており,2014年には3月1日より3月11日までの11日間に4名の学生をネパールに派遣し,首都カトマンズおよびダウラギリ県ムスタン郡マルファ村において調査ならびに研修を実施した。本報では本研修において訪問した,環境に優しい電気自動車による乗り合いタクシー(サファ・テンプー)の運営会社Nepal Electric Vehicle Industry社およびバイオブリケットの普及を通じ環境問題と貧困問題の改善を進める団体Centre for Energy and Environment Nepalに対して実施した聞き取り調査の結果を報告する。また,トリブバン大学理工学部環境科学科において実施した学生交流においてディスカッションされた内容,さらには滞在中に実施した環境意識調査(アンケート調査)の結果もあわせて報告する。
著者
田中 聡 佐々木 邦博 上原 三知
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.21-30, 2010-03

名勝における利用者の評価や動態を明らかにするため,甲信地方の峡谷の名勝地である,天龍峡,寝覚の床,御岳昇仙峡において,利用動態と評価を,フィールドマップ調査とアンケート調査により把握した。共通して利用者が名勝に求める目的は「眺望」と「自然散策」であった。一方で実際に魅力に感じる要素は,天龍峡では散策路の多様性や眺望景観。寝覚の床では自然散策や探索の面白さ,体験,御岳昇仙峡では視対象が大きく限定的な滝,岩山といった迫力のある景観であった。良好な景観を楽しむだけでなく,自然散策というレクリエーションを同時に楽しめることが名勝の現代的意義の一つであることが示唆された。
著者
山田 明義
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.1-17, 2002-01
被引用文献数
1

日本の野生きのこ類の主要な位置を占める菌根性きのこ類について、食資源としての利用性を明らかにすることを目的に、文献調査を行った。その結果、これまでに300種を超えるきわめて多様なきのこ類が利用されており、今後さらに研究の進展にともない、より多くのきのこ類が利用される可能性のあることが示唆された。これら菌根性きのこ類は、これまで殆ど人工栽培の研究が行われていなことから、産業利用の見地からは研究の必要性が指摘された。
著者
山田 明義
出版者
信州大学農学部
巻号頁・発行日
vol.38, no.1-2, pp.1-17, 2002 (Released:2011-03-05)

日本の野生きのこ類の主要な位置を占める菌根性きのこ類について、食資源としての利用性を明らかにすることを目的に、文献調査を行った。その結果、これまでに300種を超えるきわめて多様なきのこ類が利用されており、今後さらに研究の進展にともない、より多くのきのこ類が利用される可能性のあることが示唆された。これら菌根性きのこ類は、これまで殆ど人工栽培の研究が行われていなことから、産業利用の見地からは研究の必要性が指摘された。
著者
辻井 弘忠
出版者
信州大学農学部
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.111-113, 1987 (Released:2011-03-05)

木曾馬の歩法を連続撮影して分析を行った。その結果,純系に近い木曾馬は側対歩で,やや純系に近い馬は半側対歩であった。また外国種の血が入った木曾系種は,サラブレッドと同じ常歩を示した。木曾馬は先天的な側対歩であると言われている。従って,歩法は今後,木曽馬の種牡選抜の際の一つの指標になると思われた。