著者
石橋 功 高橋 紀代志
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.105-113, 1967-12-31

WL種8羽,NH種15羽およびそれらの同系の親の交配によつて作出されたWL♂×NH♀種26羽の鶏が,産卵開始後365日間に生んだWL卵1660,NH卵3496,WL♂×NH♀卵6874コについて卵型を測定し,比較した.1.WL,NH,WL♂×NH♀種の初産日令は,それぞれ193.9,212.2,162.2日であり,初年度における産卵数は,211.4,235.9,271.4コであつた.WL♂×NH♀種のすぐれた結果はheterosisに基づくものと考えられる.2.WL,NH,WL♂×NH♀卵の平均卵重は53.84,59.56,57.24gであり,第1月から第12月までの増大量はそれぞれ9.8,8.3,15.9gであつた.3.産卵開始後の日数の経過に伴なつて,WL卵は卵型係数71〜72のほぼ同じ形で卵重が増大し,NH卵は79から73へ,WL♂×NH♀卵は76から73.5へと減少し,短径よりも長径の伸びが大であつた.4.WL,NH,WL♂×NH♀卵の卵重と長径間にはそれぞれ,r=0.758,0.735,0.818,卵重と短径間には,r=0.911,0.792,0.897のいづれも高い相関々係があつた.これらの関係を卵重をx,長径をy,短径をzとして回帰方程式で示すと,長径(y)はWL:0.316x+40.22,NH:0.351x+36.00,WL♂×NH♀:0.379x+35.34で表わされ,短径(z)はWL:0.254x+27.33,NH:0.200x+31.30,WL♂×NH♀:0.234x+29.07で示すことができる.本研究の一部は,徳納敏子君の協力を得て行なつたものであり,統計処理については本学部岩佐助教授の教示を得た.ここに記して厚く感謝の意を表する.なお,要旨は昭和42年度日本家禽学会春季大会において発表した.