著者
高瀬 堅吉
出版者
日本行動医学会
雑誌
行動医学研究 (ISSN:13416790)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.52-57, 2014 (Released:2014-11-20)
参考文献数
29

米国Educational Commission for Foreign Medical Graduates(ECFMG)は、2023年以降、国際的認証評価を受けた医科大学、医学部の卒業生を米国で医業を行う資格審査の対象にすると発表した。ECFMGの要請に応えるためには、医科大学、医学部は米国医学教育連絡委員会が米国医学校向けに設けた基準、もしくは世界医学教育連盟が設けた基準のように他の国々で受け入れられている基準を用いた公的手続きを経て認証されなければならない。このECFMGの発表を受けて、我々は次の項目を満たす行動医学コアカリキュラム提案に取り組まなければならない。それは、1)医学教育の国際基準に到達する、2)行動科学・医学の国際動向に合致する、3)日本独自の行動科学・医学を内包するという三項目である。これらの項目を満たす適切なコアカリキュラムを作成するためには、行動科学の枠組みについて定義する必要がある。そこで本稿では、日本行動科学学会(Japanese Association of Behavioral Science、JABS)の歴史、会員の学術的背景および活動内容の紹介を通じて、行動科学の枠組み、さらには、コアカリキュラム作成にJABSが果たすべき役割について提案する。