著者
高田,朝子
出版者
経営情報学会誌編集事務局
雑誌
経営情報学会誌
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, 2005-12

本研究は、危機対応時の現場に情報を収集し発信する機能を持つ人物が存在すると、問題解決に資することを、地下鉄サリン事件に対応した聖路加国際病院の事例研究を通じて考察していくことが目的である。サリン事件対応時に院内に3つの情報のハブが発生し機能したことによって、状況情報を院内に提供したのと同時に、手順情報として具体的な対応策を組織内に示した。このことが同病院が成功裏に事件に対応できた鍵要因となった。危機対応の際には、現場にハブが発生すること、そしてそれを有用することを念頭において対応行動を組み立てる事が必要である。ハブが発生するために重要な3つの要素とは、「多くの情報を得る場」と「情報を発信しようという意志をもった人間」、「発信された情報を受容する組織」であった。「情報を得る場」については、物理的に多くの状況情報を得る組織環境をつくることであった。