著者
高須 信行
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.87, no.6, pp.1075-1079, 1998-06-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
2

甲状腺クリーゼは甲状腺機能亢進症が極端に増悪し,生命の危機に直面した状態である.甲状腺機能亢進症の患者に,急激に,高熱,頻脈,流れるような汗,下痢,精神不安がでてきたものを甲状腺クリーゼという.やがて意識がなくなる.手術,感染,糖尿病性昏睡などが誘因となる.早期に診断し,治療することが大切である.適切な治療が行なわれないと死に至る.治療は循環系を中心にした全身管理と急速に甲状腺ホルモン産生・分泌を抑制することである.甲状腺ホルモンを下げるためにヨードを投与する.