著者
髙橋 つかさ 葛西 敦子 田中 完
雑誌
弘前大学教育学部紀要 (ISSN:04391713)
巻号頁・発行日
vol.115, no.1, pp.105-112, 2017-11-06

視力低下とう歯は,子どもの健康問題であり,学校においては保健指導等の予防対策を行うことが求められている。そこで,本研究では,大学生が過去に受けてきた視力に関する保健指導とう歯に関する保健指導について比較し,検討することを目的として質問紙調査を行った。 その結果,学校において視力に関する保健指導が「あった」と回答した者は303名中52名(17.2%)で,う歯に関する保健指導が「あった」と回答した者の148名(48.8%)と比べて有意に少なかった。さらに,学校での保健指導について「あったかどうか覚えていない」,「なかった」と回答した者が,視力については251名(82.8%)もおり,8割を超えていた。 本研究より,学校での視力に関する保健指導が十分に行われていないことが明らかとなった。学校現場には,視力低下予防のために視力に関する保健指導を継続して取り組むことが求められる。