著者
髙橋 済
出版者
中央ロー・ジャーナル編集委員会
雑誌
中央ロー・ジャーナル (ISSN:13496239)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.63-117, 2016-03-31

我が国の出入国管理及び難民認定法が制定後、現在までどのような軌跡を辿ってきているのか歴史的・時間的経過を軸、法的な観点から考察したものである。 具体的には、退去強制に関する実体法上の要件に関し改正が逐次なされており、その概要と歴史的傾向を考察する一方、退去強制手続、仮放免許可申請手続など制定時から現在に至るまで手続保障の観点から考察するものである。 また、従前消極的な評価が多かった出入国法案等に関し、政府が全件収容主義を立法上も放棄しようとしていたこと、仮放免(収容の停止)の要件に関し明文規定を置こうとしていたことなど、現在からみてもその歴史的価値、積極的な面があることを指摘している。 なお、特別永住者等の法的な地位の変遷、現在の法的地位についても考察している。