著者
髭内 紀幸
出版者
一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会
雑誌
統合リハビリテーション (ISSN:24349275)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.2, 2019 (Released:2020-04-05)

【目的】本研究では、慢性腰痛患者に対してILPT(Integrated Low back Pain Technology)を実践していく上で、選択理論心理学で提唱している「五つの基本的欲求」の強さ・充足度の傾向を調査した。【方法】慢性腰痛群:当院脊椎・腰痛センター患者13例、健常者群:健常職員19例を対象とし、「五つの基本的欲求」:「愛・所属」、「力」、「自由」、「楽しみ」、「生存」の強さ・充足度についてのアンケートを実施し、Student’s t testを用いて検討した。【結果】「基本的欲求」における強さは「自由」の欲求以外は両群で有意な差を認めなかった。充足度では「愛・所属」、「楽しみ」の欲求が慢性腰痛群で有意に低値であった。【結論】慢性腰痛患者では「基本的欲求」が満たされていない傾向にあり、疼痛を遷延化させる要因の一つである事が示唆された。