著者
福田 陽介
出版者
一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会
雑誌
統合リハビリテーション (ISSN:24349275)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.56-62, 2019 (Released:2020-04-05)

組織滑走法(TGA : Tissue Gliding Approach)は、術者による徒手的な皮膚への接触や関節運動を組み合わせながら結合組織の滑走を生み、間質液などの体液循環を促す徒手アプローチである。日常生活における不動状態を解消するという目的を達成するコンセプトの一つとしてIAIR (International Association of Integrated Rehabilitation)が提唱している。リハビリ現場から予防分野まで活用できるTGAの考え方を解説する。
著者
百々 昭人
出版者
一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会
雑誌
統合リハビリテーション (ISSN:24349275)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.11-25, 2019 (Released:2020-04-05)

統合失調症を抱えながら慢性腰痛に悩む利用者に対して、国際統合リハビリテーション協会認定のILPT(Integrated Low back Pain Technology)を用いて介入した。運動療法による介入の過程で、痛みの原因に“認知のゆがみ”が関係していることに行きついた。これらは非特異的腰痛であると考え、心理社会面へのアプローチを進めたところ改善へと向かった。今回、選択理論心理学を取り入れたILPTを採用することで夫婦関係に温かい風が吹き込み、心的ストレスを解消・痛みを軽減するに至った事例を経験したので報告する。
著者
髭内 紀幸
出版者
一般社団法人 国際統合リハビリテーション協会
雑誌
統合リハビリテーション (ISSN:24349275)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.2, 2019 (Released:2020-04-05)

【目的】本研究では、慢性腰痛患者に対してILPT(Integrated Low back Pain Technology)を実践していく上で、選択理論心理学で提唱している「五つの基本的欲求」の強さ・充足度の傾向を調査した。【方法】慢性腰痛群:当院脊椎・腰痛センター患者13例、健常者群:健常職員19例を対象とし、「五つの基本的欲求」:「愛・所属」、「力」、「自由」、「楽しみ」、「生存」の強さ・充足度についてのアンケートを実施し、Student’s t testを用いて検討した。【結果】「基本的欲求」における強さは「自由」の欲求以外は両群で有意な差を認めなかった。充足度では「愛・所属」、「楽しみ」の欲求が慢性腰痛群で有意に低値であった。【結論】慢性腰痛患者では「基本的欲求」が満たされていない傾向にあり、疼痛を遷延化させる要因の一つである事が示唆された。