著者
魚住 雄二
出版者
遠洋水産研究所
雑誌
遠洋水産研究所研究報告 (ISSN:03867285)
巻号頁・発行日
no.35, pp.1-111, 1998-03
被引用文献数
1

ニュージーランド海域における重要漁業資源であるオーストラリアスルメイカ及びニュージーランドスルメイカ2種について,日本のいか釣り及びトロール漁業に関する統計資料,調査船調査結果及び平衡石を用いた日齢査定結果などを用いて,成長・成熟・移動回遊及び豊度の経年変化等に関する解析を行い,その結果を基に,適切な資源評価及び管理方策について検討した。これら2種は,周年にわたり発生し,幼生期から成熟産卵までの間に若干の深浅移動を行うことを除いて大規模な移動回遊は行わないことが明らかとなった。また,豊度の経年変化から各水域には2-3の季節発生群の存在が示唆された。そして,これらの群は,水域間で独立して変動していることが明らかとなった。このような資源構造を持つ資源については,各水域の発生群毎の管理を厳密に行うことは極めて困難で,海域全体での努力量規制を行うことにより,努力量が豊度の高い群へ向かい,豊度の低い群を避けるという漁業の自己管理機能を充分発揮させるような管理が現実であると考えられる。