著者
鳥取 孝雄
出版者
公益社団法人地盤工学会
雑誌
土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, 1972-06-15

東京外環状線羽田空港付近のルートは, 空港航空制限の関係からトンネルで計画され, シールド工法で工事が進められている。ルート選定にあたってはできるだけ地上施設を避けるようにしたが, 大小20数件の支障建造物が残った。また本工事に対する既設建造物防護の基本的考え方としては, 1)沈下を許容できない施設, 2)2〜3cmの沈下を許容できる施設, 3)5cm以上の沈下を許容できる施設に大別し, 1)に対しては, アンダーピニング, 場所打ち連続壁, PSアンカー, 2)に対しては, 薬液注入, 3)に対しては, 工事施工後の補修を行なうこととした。モノレール線との交差個所では, モノレール線直下のシールド掘進に先立ち, モノレール線の両側にシールドトンネル上下線を避けて基礎グイを施工し, モノレール線ラーゲル(支柱)直下に鉄筋コンクリート受けゲタを入れて支持する方法をとった。受けゲタの施行法としては, 水平押しかん(かん断面幅18.06m×2.70m)をモノレール線の両側に設けた仮設タテ坑内にセットし, 推力により地山に圧入する水平押しかん工法を使用した。