著者
鳥居 一雄 浅賀 質 山崎 拓
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
工業化学雑誌 (ISSN:00232734)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.664-666, 1969-03-05 (Released:2011-09-02)
参考文献数
1

1N塩酸溶液あるいは1N塩化ナトリウム溶液で処理した天然モルデン沸石をカラム充てん剤として用い,アルゴン,窒素,メタンおよび一酸化炭素の分離を調べた。塩酸溶液で処理したモルデン沸石を充てんしたカラムを用いることにより,未処理のモルデン沸石カラムで認められたメタンのテーリングを十分押えることができたが,273℃の温度で活性化したものでは一酸化炭素との分離が困難であった。323℃に加熱することにより容易に一酸化炭素と分離されたが,一酸化炭素はシャープなピークが得られなかった。塩化ナトリウム溶液で処理したモルデン沸石カラムは未処理のものとほぼ同じようなクロマトグラムを与えた。モルデン沸石に塩酸溶液処理あるいは塩化ナトリウム溶液処理を行なっても,アルゴンと窒素との分離にはさほどの影響は認められなかった。塩酸処理後,さらに塩化ナトリウム溶液処理をほどこしたモルデン沸石はモレキュラーシープ5Aあるいは13Xに匹敵する分離性およびHETP値を示した。