著者
鴈野 聡
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.57-63, 2008-09-19

CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント、またはコンティニュアスリレーションシップマーケティング)では、顧客の具体的なペルソナを描き、継続的にコミュニケーションのチューニングを行い、関係性の最適化を図る必要がある。顧客の取引履歴はCRMにおける最も重要なデータではあるが、基本的には定量分析に適したデータであり、顧客の具体的なペルソナ(顧客像)を描く定性情報は少ない。顧客調査は、取引履歴から読み取れない定性情報を補完するための重要な手法であり、顧客データベース分析と組み合わせることで、より具体的な顧客のペルソナを明らかにし、さらには同じ傾向をもつ顧客に対するセグメンテーションおよびアプローチ仮説構築に役立つ。本稿では、CRMの一環として実施される顧客調査を取り上げ、P2Mのバリューマネジメント体系に照らしながら、顧客調査のプロセスを考察する。