著者
佐藤 達男 亀山 秀雄
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.26-35, 2012-09-15

世界市場において大量生産、大量消費の時代が終焉し、かつてのように技術力や生産力が競争の源泉とならなくなった状況下では、顧客にとって価値のある新しい製品やサービスを創り出していくことが最も重要であり、イノベーションを起こすことができる企業でなければ生き残っていくことは難しい。P2M は不確実性が高く環境変化が激しい今の時代の流れに対応して新たな顧客価値を創造するためのプロジェクトマネジメントの手法を提供しているが、本稿ではさらに継続的にイノベーションを創出する観点を強化するために、アジャイル、リーン製品開発、デザイン思考などの新しい考え方を取り入れた仕組みの構築を検討する。
著者
清水 基夫
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.20-29, 2008-09-19

マネジャーの活動は3種類の複雑なシステムを対象とする。製品やその生産設備など活動の直接的対象である「ターゲット・システム」は「詳細化の複雑性」が基本で、マネジャーの主要な武器はシステムズエンジニアリングである。ターゲット・システム実現のために活動する「組織」はマルチエージェントという意味で「動的複雑性」であり、マネジャーはリーダシップを頼りとして対処する。そしてこれらを包み込み影響を与える「環境」(市場、社会など)という非線形に変化する「動的複雑性」に対し、マネジャーは「戦略」を武器に、ターゲット・システムという「詳細化の複雑性」を用いて対処する。本稿では、複雑性とマネジメント、そして組織の戦略について考察する。
著者
菊池 隆 鴨志田 晃
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.176-190, 2008-04-26

日本企業がサービス化する経済に対応していくためには、日本のインスティテューション(≒社会経済文化システム・体質)に対する洞察が必要だ。オランダの社会学者であるホフステードは、日本文化は、相対的に不確実性回避傾向が強く、また権力格差が大きいとしている。こういった体質と、例えば日本が得意としている(ように見える)ゲームソフト、「おもてなし」が売りの老舗旅館、あるいはコンビニに関わるロジスティクス、日本に生じ易いとされる顧客の過剰期待と企業の過剰サービス、そして日本の生産性が低いと言われるサービス分野、との相互関係を、有用なサービス分類に基づいて洞察することが不可欠である。
著者
加藤 智之 西田 絢子 越島 一郎 徳丸 宜穂 梅田 富雄
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.20-29, 2013-04-20

既報では、3S(スキーム・システム・サービス)標準プロジェクトモデルに基づく価値創出モデルのための進化型イノベーションを課題とし、製品イノベーションを意図的に起こす手法論を進化ゲーム理論を援用し展開してきた。本論では、プログラムとしてプロジェクトサイクルを回す際、その引き金(ドライバー)となる要因(ヒト、モノ、カネ、情報)とイベントを進化ゲーム理論における戦略(現時点、将来、環境)に置き換えることによって事業ライフサイクルにおける3Sモデル間の接続をマネジメントする方法について説明する。更に、進化ゲーム理論による製品イノベーション・サイクルについて、進むべき方向性を決定する指標と共に提示し、マネジメントする方法を提案する。
著者
岩下 幸功
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.140-148, 2010-04-17

プロジェクトマネジメントの知識体系が日本に入ってきて20年近くになる。それを日本ではプログラムマネジメントへ拡張し、P2M(Project & Program Management)として発信している。この間、多くの分野で外来知識(主にPMBOK)を反芻咀嚼し、実践改善を重ねてきたので、これから本格的な「PMの日本化」のフェーズに入っていくと考えられる。その一考察を試みる。
著者
ダワードルジ ニャムバヤル 濱田 佑希 越島 一郎
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.229-237, 2014-04-19

プロジェクト・マネジメントでは、人材資源からプロジェクトで必要な技術者を使用して目的を達成する必要がある。そのためプロジェクトでは十分な知識と経験を持ってない新しいエンジニアを雇用するのは非常に難しいである。しかしながら、新興国ではプロジェクト・マネジメントに熟達した人材が限られている。このことから、プロジェクトを遂行しつつ人材育成を図らざるを得ない状況にある。人材教育にあって二つの方法がある。一つはOJT (On the Job Training), もう一つはOff-JT (Off the Job Training)である。プロジェクトの時間的な制約で教育する時間がない。そのため、教育に従事できる人材の不足を考慮したプロジェクトエンジニア育成のための教育方法の開発が望まれている。本論では本来のプロジェクトと教育プロジェクトを両立させる手法の開発を目指しているので紹介する。
著者
藤澤 正則
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.261-270, 2010-04-17

PMR in January 2005 after four qualified, home-meal replacement industry (manufacturing deli lunch) to improve the cost, P2M use case begins thinking of the owners as "model system, model service and model scheme" using the mechanism made and of practice have been seen. By materialize, improved performance and smoother communication and owners and employees. Two cases of maturity as an industry, the work of the model was to improve services. 3 In 2008 this case since September, the external environment, as speedy response to rapid changes in the internal environment, "the direction and aims to expand the system in response to changes in the environment" "in living color and should see the shape of" "the decorated structure of PJ to" and, in cases of actions I evaluated the results and the right way.
著者
喜多 一 森 幹彦 辻 高明 松井 啓之 大橋 俊夫
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.108-117, 2008-04-26

近年,情報の生産,流通に関しては個々のエンドユーザが同時に生産者たり得る状況が出現している.このような流れは,具体物の伴う「ものづくり」の世界でも生まれ始めており,機械による大量生産が中心の従来のものづくりのほかに,情報技術の高度化,普及に伴って多様なものづくりの形態が生じつつある.本稿では情報技術がもたらすこのようなインパクトについて,Webを活用したBTO型のマスカスタマイゼーションから,MITのFablabプロジェクトに見られるエンドユーザ自身によるものづくりまでを,その背景となる技術的,社会経済的動向を踏まえて概観するとともに,筆者らが行っている中小企業集積との連携による利用者参加のものづくりを紹介するとともに,そこでの課題について考察する.
著者
永里 賢治 田辺 孝二
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.206-215, 2011-05-14

2007年に欧州の新しい化学物質管理政策であるREACH規則がスタートした。REACH規則は「予防原則の導入」や「ステークホルダーの政策参加」といった新たな試みを政策手段に加えるだけでなく、「欧州の産業競争力向上」といった産業政策も織り込んだ新しいタイプの環境政策である。本稿では実例を紹介しながら、化学物質管理政策のあるべき姿を「全体像」や「仕組み作り」といった国際プロジェクト・プログラムマネジメント(P2M)の視点で考察する。
著者
中村 明
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.105-118, 2011-09-03

2004年12月26日に発生したスマトラ沖地震は、インドネシア、スリランカ、タイなどの近隣国を始め、アフリカ沿岸国まで被害をもたらし鳥この地震の特徴は、未曾有の被害規模であることに加え、多数国に被害が及んだこと、多様な被害をもたらしたことなどにある。本地震に対し、日本は被災国に緊急復興支援を実施した。本論では、これらの支援のうち、最大の被害となったインドネシア国バンダアチェ市の復興とその他開発途上国での災害被害の特徴を取り上げ、その支援プロセス適正化のためのPM体系の役割について考察する。また、海外でのこれら復興支援の経験・教訓は、本年3月11日に発生した東日本大震災の復興プロセスにも多くの示唆を与えるものであり、その点についても併せて論じる。
著者
相原 憲一 佐藤 和枝
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.130-139, 2010-04-17

地域活性化は不確実性を伴うオープンイノベーションの土俵で如何に地域価値を活かすのかという議論が中心である。地域自身の扱いが、行政区画でなく、本来の文化・生活・産業的な範疇とすることが今日では自然の認識であり、そこに存在する産業構造と地域価値創出の人間力が注目される。そこでは、地域活性化に関してP2MV2コンセプトは大いに参考になる。地域価値を創出するにはプロデューサ(いわゆるプロジェクトのオーナー)とコーディネータ(いわゆるプロジェクトマネージャ)の存在は当然として、実は多様化、オープン化時代には、ある種の業務遂行能力を備えたブリッジパーソン(いわゆくプログラムマネージャ)の存在が不可欠になることを本論文は提唱する。そして、具体的事例として、広島県世羅町の6次産業、浜松市佐久間の廃墟トンネルワインセラーなどを示して、ブリッジパーソンの存在意義を考察する。
著者
小松 昭英
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.124-132, 2009-09-12

既に製造業企業約660社について、その設備投資および情報投資効果の事後評価を行い、設備投資および情報投資の各々の利益率をもとめた。しかし、設備投資あるいは情報投資より大きいこともある研究開発費の利益率については未検討である。特に研究開発費の大きい製薬業企業については、その研究開発費利益率の検討は不可避と考える。そこで、既に発表した設備投資と情報投資の2変数モデルに研究開発費を加えた拡張3変数モデルを適用し、大手製薬企業25社について検討する
著者
田中 和夫 小原 重信
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.230-240, 2006-05-12

長引く建設需要の冷え込みの中で近年大きな変化が出てきている。それは建物所有者や事業者を取り巻く経営環境が大きく変化したことで、建物に対する新しい価値を見出そうとする意識がそこに芽生えたものだと思われる。つまりそれは建物を一つの経営資源として捉える視点のことであるが、その背景には建物自体の価値をより高く維持することに一層の経営努力を払っていく経営者の姿が理解できる。そこで本論文のテーマは、"建物価値の再認識"という建築リニューアルの領域を、建物所有者がリニューアルに求める価値とは一体何か、またどのようにその価値は創出されるのかを建築のライフサイクルを考えることで、多様な価値観を見せるリニューアルの領域にどのようなサービスモデルが築けるのかを考察するものである。
著者
山本 秀男
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.79-88, 2009-09-12

新たなシステム導入をともなう業務改革や大規模研究開発では、現場に密着した課題の発見と創造的な解決策の提案が必要となる。このようなイノベーションを前提とするプログラムのマネジャーは、最終意志決定者に対する適切なフィードバックと、価値観の異なる組織の間の調整能力を持たなければならない。つまり、最終意志決定者のビジョンを実現する実行計画の策定と、フォロワーのインセンティブを高揚させる指導力の発揮が期待される。価値観の異なる組織の意識を統一し牽引していく"柔軟な指導力"の例として、NTTの総合プロデュース活動と産学官連携コーディネーション活動を紹介し、P2M Version 2.0においても、フォロワーに対するコーディネーション機能が重要であることを述べる。
著者
鴈野 聡
出版者
一般社団法人国際P2M学会
雑誌
研究発表大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.57-63, 2008-09-19

CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント、またはコンティニュアスリレーションシップマーケティング)では、顧客の具体的なペルソナを描き、継続的にコミュニケーションのチューニングを行い、関係性の最適化を図る必要がある。顧客の取引履歴はCRMにおける最も重要なデータではあるが、基本的には定量分析に適したデータであり、顧客の具体的なペルソナ(顧客像)を描く定性情報は少ない。顧客調査は、取引履歴から読み取れない定性情報を補完するための重要な手法であり、顧客データベース分析と組み合わせることで、より具体的な顧客のペルソナを明らかにし、さらには同じ傾向をもつ顧客に対するセグメンテーションおよびアプローチ仮説構築に役立つ。本稿では、CRMの一環として実施される顧客調査を取り上げ、P2Mのバリューマネジメント体系に照らしながら、顧客調査のプロセスを考察する。