著者
鴨野 直敏
出版者
人間福祉学会
雑誌
人間福祉学会誌 (ISSN:13465821)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.79-86, 2020 (Released:2020-10-07)

筆者は、A県内にある5か所の就労継続支援B型事業所の職員7名に半構造化インタビュー調査を行なった。抽出された要素から、職員の精神障害者への関わり方がどのように適切であれば労働生活の質(Quality of Working life)が向上するのかが理解できた。 先行研究において、職員と精神障害者が労働を通じて労働生活の質(QWL)の向上をはかっている面は理解できた。これらに加えて、筆者は職員の接し方について、ときには友人のように接することも必要になること、また、B型事業所は精神障害者にとっては、労働者性を一方において居場所として考えることが必要ではないかと考えた。つまり、これらは精神障害者の生活の質(QOL)向上を目指すことが同時に、その労働生活の質(QWL)を上げるという相互補完的議論が必要となってくることの方向性を論じたものである。