著者
鶴 弘道
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.1968, no.17, pp.45-55, 1968-05-20 (Released:2009-09-04)
参考文献数
21

本稿は、実存主義克服の問題との関連において、Fest (休日、祭り) とFeier (儀式) の人間学的意義を考えようとするものである。そして、この基盤のうえにたって、最後に若干ではあるが、その教育学的意義をも考えようとするものである。そのためにはまず、実存主義の内容を、それがうまれてきた歴史的過程をも考慮にいれつつ概観し、どの点にその特質があるのか、そして克服されるべきはどの点なのかということを、明らかにしておく必要があるように思われる。そこで最初に、実存主義成立の歴史的背景から考えていくことにしたい。