著者
鷹野 遥香 吉井 勘人
出版者
山梨大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 = 教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:18816169)
巻号頁・発行日
no.22, pp.193-206, 2017-03-31

本研究では,小学校中学年・高学年の児童各8名を対象に,肢体不自由のある子どもをテーマにした絵本の読み聞かせと,グループでの話し合い活動を行った.それにより,児童の「障害児に対する受容的態度」,「障害の認識」,「情緒的理解」に与える影響を検討した.また,話し合い活動後の障害の認識に関する視点の変化を検討した.その結果,絵本の読み聞かせと話し合い活動は,「障害児に対する受容的態度」としての,障害者は「自分から進んでできる」,障害者に「話しかけたい/ 遊びたい/協力したい」といった側面を促進することが見出された.「障害の認識」では,中学年は物語の中のさっちゃんの障害について,高学年は障害児・者一般に対する環境の役割についてのコメントが多くみられた.「情緒的理解」では,ポジティブとネガティブの両側面のコメントがみられた.「話し合い活動」では前から後にかけて,障害の認識に関する視点の変化がみられた.