著者
鹿糠 広治
出版者
紙パルプ技術協会
雑誌
紙パ技協誌 (ISSN:0022815X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.11, pp.1689-1697, 2006-11-01
被引用文献数
1

近年,地球温暖化や化石燃料の価格上昇に伴い,製紙業界においても化石燃料からバイオマスへの燃料転換による省エネルギー対策およびCO<SUB>2</SUB>排出量削減対策が盛んに実施されてきている。<BR>三菱製紙(株)八戸工場でも重油からバイオマスへの燃料転換が課題であった。また,既設のペーパースラッジ焼却設備も老朽化が進んでいることから,今回,廃タイヤ・廃木材・工場内で発生するペーパースラッジ・その他の可燃性廃棄物を燃料とするリサイクルボイラーを建設し,2004年7月より操業を開始した。<BR>運転性能を確認した結果,計画値を全て満足しており,現在も順調に稼働を続けている。また,この設備の稼働により,重油・石炭消費量の削減,購入電力量の削減,余剰電力売電量の増加といったエネルギーコストの削減,及びCO<SUB>2</SUB>排出量の削減に大きく寄与することとなった。<BR>本稿では,このリサイクルボイラーの設備概要及び操業経験について紹介する。