著者
黒後 洋 藤田 直
出版者
宇都宮大学
雑誌
宇都宮大学教育学部教育実践総合センター紀要 (ISSN:13452495)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.389-398, 2007-07-01

文部科学省より平成12年9月に策定された「スポーツ振興基本計画」では、「2010年までに、全国の各市町村において少なくとも1つは総合型地域スポーツクラブを育成する」という指針を提示した。栃木県内における総合型地域スポーツクラブの創設は、平成15年度以降徐々に増加傾向を示し、日本体育協会のクラブ育成推進事業等を基盤に各市町における積極的な取り組みが伸張しつつある。しかしながら、クラブ創設・育成に関しては自主財源、施設・指導者の確保等、様々な問題を抱えているのが現状である。そこで本稿では栃木県内における総合型地域スポーツクラブの現状を分析しその課題について再検討を行った。その結果、創設・育成に関する今後の課題として、広域スポーツセンターの機能拡充、未設置市町への具体的方策の策定。また、スポーツ指導者の確保、クラブマネージャーの育成に関する有資格化、さらにスポーツ振興のシンボルとして栃木SCを中心としたプロスポーツクラブとの連携を企図すること等が示唆された。