著者
蔀 洋司 齊藤 一朗
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会 全国大会講演論文集 平成19年度(第40回)照明学会 全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
pp.131, 2007 (Released:2007-12-25)

積分球内面の反射率不均一性は、積分球を用いた測定における大きな不確かさ要因であり、可能な限り理想的な積分球特性を得るためには、積分球内面の作成条件に対する考慮も重要である。本研究では、積分球内面の最適塗装条件の探索に必要な基礎的パラメータを得る事を目的として、硫酸バリウム面の種々の塗装条件下での反射特性評価を行った。ここでは、代表的な塗装方法であるヘラ塗りおよび吹付塗装について検討を行った。試料は、国産の硫酸バリウム(試薬特級)を用い、ヘラ塗りでは、バインダーであるポリビニルアルコール水溶液の濃度および塗装厚の異なる反射板を計20種類作成し、分光拡散反射率、反射配光、蛍光特性などを評価した。吹付塗装では、ヘラ塗りで最も特性が良かったPVA濃度:3.0 %について、塗装厚の異なる5種類の試料を作成し、同様の評価を行った。反射率測定結果から、ヘラ塗りでは、塗装厚を大きくする事は、ひび割れによる影響が大きくなるため望ましくない事が分かった。これに対して、吹付塗装の場合では、ひび割れの影響は殆どないが、3.0 mm程度まで塗装厚に対して反射率の変化が見られた。