- 著者
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齊藤 文則
高橋 啓介
鳥尾 哲矢
桑沢 安行
野本 智永
- 出版者
- The Japanese Society of Lumbar Spine Disorders
- 雑誌
- 日本腰痛学会雑誌 (ISSN:13459074)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.1, pp.85-90, 2006
【目的】骨粗鬆性椎体偽関節に対する経皮的骨セメント椎体形成術の治療報告. 【対象】症例は15例16椎体, 罹患高位は胸腰椎 (T11~L2) 15椎体, 腰椎 (L3) 1椎体. 男性2例, 女性13例, 平均年齢73歳. 経過観察期間は平均29カ月. 遅発性脊髄麻痺を7例に認めた. 【結果】手術時間は平均42分. 術中, 術後の全身合併症はない. 術直後, 全例腰背部痛は改善. 遅発性麻痺例も全例軽快 (MMT 1~2→3~5). 経過中, 隣接椎の圧潰を63%に認めた. 1年以上の経過観察例で, 注入椎は隣接椎体間で架橋形成を認めた. 【考察】本法は手術時間も短く, 疼痛も劇的に改善し有用である. しかし, 多くの症例で隣接椎の圧潰を認め問題である. また, 骨セメントに骨親和性がなくとも注入椎は周囲の架橋形成で安定化した. 遅発性麻痺例では椎体形成術のみで麻痺の改善が得られることから, 麻痺の発生には偽関節部の動的圧迫の要素が強いと考えられた.