著者
齊藤 有紀 石田 貴士 関嶋 政和 秋山 泰
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013-BIO-34, no.15, pp.1-6, 2013-06-20

近年,薬剤開発に必要な時間や費用が増大しており,薬剤開発の期間短縮や費用削減が求められている.そのための手法としてコンピュータ上でのシミュレーションを用いて,ターゲットとなるタンパク質を阻害する薬物の構造を設計する手法が注目を浴びている.一方で,薬物として使用する化合物は,体内で代謝・排泄されなければならないという条件がある.この条件を満たす薬物の選定のために行われるのが薬物クリアランス経路予測である.そこで我々は,コンピュータ上で行われるシミュレーションのひとつである,タンパク質と化合物のドッキング計算による結合自由エネルギー計算を,薬物クリアランス経路の予測に応用し,これまで我々が開発してきたクリアランス経路予測システムの精度改善を行った.