- 著者
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勝部 章人
Akito KATSUBE
- 出版者
- 大手前大学・大手前短期大学
- 雑誌
- 大手前大学人文科学部論集 = Otemae journal of humanities (ISSN:13462105)
- 巻号頁・発行日
- vol.4, pp.A53-A64, 2003
アメリカ・ポピュラー・ミュージックのルーツを一般的によく言われる南部の黒人音楽であるブルースやゴスペルなどではなく、それとは別のカリブのフォーク・ミュージックへと辿る。1950年代、カリプソというカリブの音楽のブームがアメリカで巻き起こり、それがアメリカのポピュラー・ミュージックに大きな影響を及ぼす。しかしそれ以前にこの地域の音楽がすでに何らかの形で影響を与えていたのではないかを探るためにカリブ海の島の中から英語圏のジャマイカ、バハマとキューバを取りあげ、ニュー・オーリンズという他の町とは異なった当時の国際都市を通してどのようにアメリカへ影響を与えたかを考える。アメリカ・ポピュラー音楽の持つ屈託のない明るさという側面を作り上げた1つの要素はカリブの黒人のフォーク・ミュージックに由来し、その側面への影響力は南部よりこちらの方が大きかったことを議論する。