著者
Ando Toshio
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学園芸学部学術報告 (ISSN:00693227)
巻号頁・発行日
vol.58, pp.75-91, 2004-03-31
被引用文献数
1

後続の研究者の便宜に供するため,花卉園芸学研究室によって1988年以来行われてきた南米での植物探査の記録を残すこととする.探査はナス科Petunia属に傾注している.但し, Jussieu (1803)の定義した広義のPetuniaであり,狭義のPetunia (sensu Wijsman)属とCalibrachoa属を含んでいる.1995年から2001年までの7年間の全走行距離は69,191km (アルゼンチン=27,123km,ブラジル=31,308km,メキシコ=2,347km,パラグアイ=4,748km,ペルー=840km,ウルグアイ=2,825km)に達し,採集した標本は合計858点(アルゼンチン=210点,ブラジル=595点,メキシコ=1点,パラグアイ=37点,ウルグアイ=15点)に達した.前報[2]に記録した1988年〜1994年に比べて,走行距離は上回るものの,採集標本数は大幅に減少した.分布の周辺部分の探査に入ったからである.最初の2〜3年はブラジルに重点を置き,以降次第にアルゼンチンに重点を移した.ウルグアイの探査は補完的なものに留めた.ブラジルの探査は峠を越え,アルゼンチンの探査は道半ばである.パラグアイは2001年だけの探査だが,概ね満足できる結果を得ている.メキシコの探査は僅か1標本の確保に留まった.ペルーの探査は成果がなかった.ボリビアの探査はまだ行われていない.