著者
吉田 正樹 (2007-2008) 田中 啓治 (2006) BOUCARD CHRISTINE BOUCARD Christine BOUCARD Christine Claudia
出版者
東京慈恵会医科大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

1.静的視野検査の施行により、視放線の障害部位が臨床的にあらかじめ推定可能であった脳出血による視野障害症例に、機能的磁気共鳴イメージング法および拡散テンソル画像法をおこなった。2.機能的磁気共鳴イメージング法による視覚皮質における網膜位置情報レチノトピーの検討と、視放線の視覚皮質への接続性評価をおこなった。レチノトピー情報は、視野障害を正確に反映した結果が観察された。3.上記結果を、高磁場3T装置に応用し、シーケンスの最適化をおこなった。従来の1.5T装置と同程度の撮像時間内での撮像と、3T装置の長所である高空間分解能が可能となった。実際には、撮像時間は同じであるのに対して、機能的磁気共鳴イメージング法では、従来の1.5T装置では、3mm四方の空間分解能に対し、3T装置では、2mm四方の空間分解能が実現可能であった。拡散テンソル画像法では、1.5T装置では、2.5mm四方の空間分解能に対し、3T装置では、1.5mm四方の空間分解能が実現可能であった。4.緑内障性視野障害は、視覚野における形態変化を伴うことが剖検例で報告されている。緑内障症例に対して高空間分解能機能的磁気共鳴イメージング法および拡散テンソル画像法を施行した。先天緑内障症例において、視覚野、および視放線における形態変化を伴うことが示された。実際には、視覚野において、前方皮質の減少が観察され、視野障害に一致した。視放線に一致した白質の減少も同時に観察された。