著者
松永 裕介 Chen K.C 藤田 昌宏
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.42, pp.138-139, 1991-02-25

多段論理回路の簡単化手法のうち,多段回路の構造から生じたドントケア条件を考慮して簡単化を行なうBoolean minimizerと呼ばれるものがいくつか提案されている[1],[2],[3].このうち,文献[1] の手法は2段論理式簡単化プログラムESPRESSO-II[4]を利用したもので,どのような回路変換を行なうかというヒューリスティックに関しては場当たり的な変換を行なう他の手法に比べて効率的であるが,通常,多段論理回路の内部のドントケアを表現する2段論理式が巨大なものになってしまい,ドントケアそのものやその否定を扱うことが非常に困難になるという問題がある。そこで,本稿では2分決定グラフ(Binary Decision Diagram)[5]を用いて許容関数を表現しつつ,ESPRESSO-IIと同様のヒューリスティックを用いた2段論理式簡単化手法についての提案を行なう。