著者
Christopher P. Hudec Mona J. Boord Craig E. Griffin
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.143-147, 2019 (Released:2019-09-20)
参考文献数
7
被引用文献数
3

ハチ毒免疫療法は刺咬症による毒素に対する致死的な反応の可能性を減弱させる。ハチ毒免疫療法は安定化のためにヒトアルブミンが必要である。本症例はハチ毒免疫療法の最中にアナフィラキシーを発症したラブラドールレトリーバーの1例である。比内試験によりヒトアルブミンに対する継続的な感作が認められた。ハチ毒免疫療法がヒトアルブミンに対する感作のリスク因子であるかについて調べるため,ハチ毒免疫療法が施された4頭の犬と6頭の健常犬,6頭のアトピー犬に比内試験を行った。1頭の犬がヒトアルブミンに対して反応を示した。この犬はハチ毒免疫療法で治療されているが臨床症状は示していない。ヒトアルブミンを含むハチ毒免疫療法がこのタンパクに対する感作とアナフィラキシーを起こす可能性がある。