著者
林 恵津子 Etsuko Hayashi
巻号頁・発行日
vol.23, pp.99-109, 2007-01-01

自閉性障害のある子どもは、睡眠の問題を多く示すと指摘されている。本研究では、自閉性障害のある子どもの睡眠の問題を、知的障害のある子どもや典型発達を示す子どもと比較した。その結果、睡眠の時刻やその長さよりも、昼間は覚醒し夜間はまとまった睡眠をとるという生活リズムの形成に問題を持つ児が多いことが明らかになった。さらに、生活リズムの形成に問題を持つ児における行動特徴を調べた結果、対人関係の調整における困難さがうかがわれる行動や、パタン化された行動や発声・発語といった常同行動を示す傾向が示された。