著者
Ezenwa Ikechukwu 北原 徳久
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.245-250, 2001-08-15
被引用文献数
3

7月6日, 8月25日および10月23日に採取した桑葉11品種の牛第1胃内乾物分解性とその季節変化をナイロンバッグ法により検討した。分解率は2頭のフィステルを装着したホルスタイン牛の第1胃内で試料を4, 8, 12, 24, 36, 48および96時間培養し, 測定された。可溶性画分aの分解率は7月には6.9-34.4%, 8月には27.2-49.6%, 10月には33.6-44.5%, 緩慢分解性画分bのそれはそれぞれ61.5-87.0%, 44.7-67.6%, 53.5-63.2%の範囲にあった。最大可能分解率PD(a+b)と時間当たりbの分解速度cは, それぞれ1.1-97.2%と8-16%であり, 桑葉の採取時期および桑の品種間に有意な差が認められなかった。有効分解率は, 7月79.2, 8月81.9, 10月84.8%であり, 品種間では75.0-89.5%の範囲にあった。以上の結果から, 乾物分解特性には桑葉の品種間に差異がみられたが, 桑の葉は概して高い分解率を示し, 低質基礎牧草の補完飼料として適するものと考えられる。