- 著者
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福居 亜耶
フクイ アヤ
Fukui Aya
- 出版者
- 大阪大学大学院文学研究科社会言語学研究室
- 雑誌
- 阪大社会言語学研究ノート
- 巻号頁・発行日
- vol.13, pp.28-51, 2015-03
本稿では、京都府福知山市方言におけるテヤ敬語について、中年層女性の家族・親族内での会話を調査することで、以下のような運用ルールを提示した。A群:第三者待遇において(A):話し手にとって話題の人物が家族でない場合はテヤ敬語を使用する。(A-2):(A)が適用されないとき、話し手よりも話題の人物が年上の場合テヤ敬語を使用する。(A-3):(A-2)が適用されないとき、基本的にテヤ敬語は使用しない。(A-3´):(A-2)が適用されないとき、基本的にはテヤ敬語を使用しないが、話題の人物が聞き手よりも年上の場合はテヤ敬語を使用することがある。B群:対者待遇において(B):話し手にとって聞き手(=話題の人物)が家族である場合はテヤ敬語を使用しない。(B-2):(B)が適用されないとき、話し手よりも聞き手(=話題の人物)が年上の場合テヤ敬語を使用する。(B-3):(B-2)が適用されないとき、聞き手(=話題の人物)が話し手と非常に親しい場合はテヤ敬語を使用しない。(B-4):(B-3)が適用されないとき、テヤ敬語を使用する。