著者
片桐 史裕 Fumihiro KATAGIRI
出版者
上越教育大学
雑誌
上越教育大学教職大学院研究紀要 = Bulletin of Teaching Profession Graduate School Joetsu University of Education (ISSN:2187882X)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.47-54, 2017-02-28

古典作品の世界を味わい,感じとるために,作品理解のための授業の後に,群読を用いた音声言語よる表現の時間を設けた。文章解釈が中心の高等学校国語科古典授業の中で,授業進度を他の担当者と合わせている場合,表現の時間を設けることは,解釈の時間を削って充てなければならないということになる。群読のシナリオを全て作らせることはとても時間がかかったり,人前で発表する場合は恥ずかしさのあまりすぐに発表できなかったりして,時間が無為に過ぎることがよくある。しかし,作品の一部分のシナリオを作成することにしたり,ICレコーダーに録音する発表方法を採用することにより,1時間の授業ながら効果のある群読授業をおこなうことができた。また,ICレコーダーで録音し,自らの作品を聞くことにより,学習の成果を客観的にふりかえることができた。