著者
GOTO Derek 齊藤 玉緒
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

細胞性粘菌と線虫を同一のシャーレ上で培養すると、粘菌は線虫を忌避させることを定量的に示した。このような忌避行動を起こさせる原因は細胞性粘菌の子実体の分泌する化学物質であることを同様の実験から導きだした。この混合物は抗線虫薬開発の有用資源となる。植物を生育させその根のから2mm離れた地点に、細胞性粘菌が放出する疎水性物質をろ紙に吸着させたものおき、直後にそれぞれの植物から10mm離れた地点に線虫を播種し、48時間後に植物の根の染色を行い感染数の比較を行った。その結果、細胞性粘菌抽出物が近くにあった植物ではなかった植物に比べ有意に線虫の感染が減少していた。