- 著者
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Glenn R. SUMMERHAYES
早川 理恵子
- 出版者
- The New Zealand Studies Society-Japan
- 雑誌
- ニュージーランド研究 (ISSN:18815197)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, pp.1-6, 2023 (Released:2023-11-27)
オタゴ地域の教育制度は、ニュージーランドで最も古い大学や南半球で最初の女子校の設立など長い歴史を持っている。これらの教育制度は初期のスコットランド人入植者がもたらした教育理念に大きく負っている。スコットランドの教育は中世まで遡り、1496年ジェームズ4世の時代に世界で初めて教育が義務化された。宗教改革と啓蒙主義の影響を受けた教育観はノックスの『第一規律の書』やアダム・スミスの『国富論』に確認できる。1861年オタゴ地域で金が発見されたことで、小さな地方都市ダニーデンは裕福な都市になった 。スコットランドにルーツを持つ女性運動家や政治家そして商売人は自由教会の理念である教育を優先し、1863年にオタゴ男子高校、1869年にニュージーランド最古の大学であるオタゴ大学、1871年にオタゴ女子高校、1871年にタイエリ高校が設立された。