著者
Laura S. Barrientos Julian A. Crespi Veronica It Pilar Peral-García María C. Castellano Guillermo Giovambattista
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.57-61, 2013 (Released:2013-08-20)
参考文献数
16
被引用文献数
2

若年性汎発性ニキビダニ症は犬で頻繁にみられる疾患であり,遺伝的素因や免疫学的素因が関与する疾患である。本症は伝染性疾患でも人獣共通感染症でもないが,重篤で時に生命予後に影響することもある。本症はあらゆる犬種に発症しうるが,一部の報告では好発犬種に関する記載が見られる。本報告では1998年から2006年までの間に,アルゼンチン・ラブラタ国立大学獣医学部附属小動物病院で記録された499例について解析した。全ての症例において,ニキビダニ症があらゆる皮膚疾患よりも初発したと考えられ,最終的には本症と診断された。499例中28例が若年性汎発性ニキビダニ症と診断された。他の研究データと比較したところ,本研究ではボクサー,ジャーマン・シェパードおよび雑種犬に,本症が好発することが示された。本研究の成果は,若年性汎発性ニキビダニ症が一部の犬種に好発するという仮説を支持するものと考えられた。