著者
堀口 俊二 下斗米 哲明 HORIGUCHI Shunji SHIMOTOMAI Tetsuaki
出版者
新潟産業大学経済学部
雑誌
新潟産業大学経済学部紀要 = Bulletin of Niigata Sangyo University Faculty of Economics (ISSN:13411551)
巻号頁・発行日
no.48, pp.65-77, 2017-01

オランダ測量術が1641年から1649年に日本に伝わった.江戸幕府(1603-1867)は国絵図作成のためにオランダ流測量術を奨励した.秘伝規矩元法別伝・八事絵巻と規矩元法別伝目録秘八目録図解は,清水貞徳(1645-1717)が確立したオランダ流測量術である.絵巻は題名,著者,年代不明である.目録は盛岡藩家臣簗田義智(義和)が1759年に盛岡藩別家の殿様に献上するために書いた.これら2つは,目録の最初の4ページを除けばほぼ同じ内容であり,どちらが古いか以前から問題となっている.本稿の目的はこれを考察することにある.このため我々は2つの違いを詳細に比較する.その結果「絵巻は目録より古いであろう.目録は殿様用に模写・改良したものである.」という結論を得る.さらに清水太右衛門尉貞徳の説明箇所では,絵巻では門弟は「数千人」とある.この「数千人」は当時の清水流測量術の隆盛を示す貴重な数値である.
著者
堀口 俊二 下斗米 哲明 HORIGUCHI Shunji SHIMOTOMAI Tetsuaki
出版者
新潟産業大学附属東アジア経済文化研究所
雑誌
新潟産業大学経済学部紀要 = Bulletin of Niigata Sangyo University Faculty of Economics (ISSN:13411551)
巻号頁・発行日
no.45, pp.79-99, 2015-06

2007年に札幌の石川雅康氏の自宅で清水流測量術の絵巻が見つかった.本稿では,この絵巻を手がかりに人の繋がりを求め,伝来経路を考察する(§2).さらに絵巻の影印を与える(§4).§1は清水流測量術,絵巻の発見とその著名を説明する.§3は絵巻の概略と関連書である.