著者
松原 秀江 Hidee MATSUBARA
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 = Otemae Journal (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.87-109, 2011-03-31

堀辰雄の文学に大きな影響を与えた女性たちが、彼の前に常に親子がらみで現れることに注目して、その誕生及び幼少年期を見ながら、『聖家族』に至るまでの作品内容とそれらを比較し、親がらみと裏返しをキーワードに、『聖家族』の書名が「聖母子」ではなく、「聖家族」だったことの意味を考える。
著者
松原 秀江 Hidee MATSUBARA
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
no.17, pp.65-92, 2016

数え年十歳で、近世の名家・葛野流大鼓師の娘だった母・すゞを失った鏡花にとって、すゞの長兄・孫惣の未亡人・ちよとその娘たち、特にすゞ同様江戸生まれのふみが、代々伝えて今はない鼓の精として、紅葉を師と仰ぐ鏡花の作家としての成長に深くかかわることを、清次とすゞの出会いのきっかけも含め、能とのかかわりの中で述べた。