著者
Hirofumi Dohi Yoshihiro Nishida
出版者
FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
雑誌
Trends in Glycoscience and Glycotechnology (ISSN:09157352)
巻号頁・発行日
vol.26, no.151, pp.119-130, 2014 (Released:2014-09-25)
参考文献数
60
被引用文献数
1 6

チオグリコシドは高い化学安定性を有し、グリコシル化において化学選択的に活性化できることから糖鎖合成に幅広く用いられている。チオグリコシドはチオールから調製されるが、チオールは刺激的で不快な臭いを発するうえに、酸化によってジスルフィドを形成しやすいことから使用がはばかられる。これらの要因がチオグリコシドの化学合成への応用を事実上制限している。本稿では、チオグリコシド調製時に不快臭を伴わない手法の開発に向けた最近の取り組み、およびこれらの糖鎖合成における反応性について述べる。