- 著者
-
Jun-ichi Azuma
Masahiro Sakamoto
- 出版者
- FCCA(Forum: Carbohydrates Coming of Age)
- 雑誌
- Trends in Glycoscience and Glycotechnology (ISSN:09157352)
- 巻号頁・発行日
- vol.15, no.81, pp.1-14, 2003-01-02 (Released:2010-01-05)
- 参考文献数
- 38
- 被引用文献数
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48
56
直径が3nm以下のセルロースミクロフィブリルを含むハイドロコロイドがヤドリギ、Viscum album L.、の果実およびバジルの種子の外珠皮に存在している。ヤドリギの場合では、セルロースミクロフィブリルは viscin と呼ばれる組織中に存在するロープ状の細胞中に細胞の長軸に対して直角の方向にコイル状にパックされている。一方、バジルの場合では、種子の外珠皮に存在する筒形の細胞内にコイル状にパックされている。これらの細胞が含水するに伴ってセルロースミクロフィブリルはほどけて周囲に広がっていく。ハイドロコロイドは一種のセルロース-ヘミセルロース性の多糖のコンポジットである。両ハイドロコロイドには(1,4)-結合したキシランとグルコマンナンの他に高度に分岐したアラビノガラクタンが含まれていることがメチル化分析の結果わかった。ハイドロコロイドの部分酸加水分解によりグルコマンナンタイプのヘミセルロースがセルロースと密接な関係にあり、酸性の多糖が水不溶性のセルロースをコロイド状態に保つ役割をしていると考えられる。