著者
小檜山 希 KOBIYAMA Nozomi
出版者
お茶の水女子大学生活社会科学研究会
雑誌
生活社会科学研究 (ISSN:13410385)
巻号頁・発行日
no.19, pp.25-33, 2012-10

子育てへの時間配分が大きいと考えられる12歳以下の子どもを持つ25歳から45歳の有業有配偶女性を対象として収入と就業形態を分析し,特に無職経験が\あっても収入を高める要因を考察した.\無職経験をもつものは約8割が非正規であり,年収も7割弱が130万円以下であった.また,無職年数が増えるに従い,正社員割合,大学・大学院卒割合は減少していた.\年収関数の推計を行ったところ,正社員となることが年収を高める大きな効果となっていた.無職経験者を分析すると,無職期間の長期化は年収の引き下\げ効果を持っていた.また,勤続年数が長いことは年収を増加させる効果をもっていた.このため無職経験者の収入向上には,正社員として勤務すること.途切れた場合は無職期間を短くし勤続を伸ばすことが有効と考えられる.