- 著者
-
Karen E. ATLER
- 出版者
- 日本作業科学研究会
- 雑誌
- 作業科学研究 (ISSN:18824234)
- 巻号頁・発行日
- vol.16, no.1, pp.12-29, 2022 (Released:2022-06-01)
- 参考文献数
- 47
日本作業科学研究会第24回学術大会の基調講演において,作業経験を知ることがいかに作業の複雑性 を知ることになるのかを探っていった.作業の複雑性を知ることは,well-being への入り口となりうる.本 論文では,作業を知ること,あるいは作業に関する主観的な視点を探求することが,どのように 1)作業と well-being の関係について作業科学者の理解を支援する,2)作業がどのように well-being に貢献したり影響を与えたりするか,他者が理解できるように作業科学者を支援することを可能にするか論じていく.はじめに私自身の研究,経験,その他の学術的研究から,作業経験と well-being,そしてそれらの交わりについて定義し,説明する.次に,作業経験の定量的評価である作業経験プロフィール(Occupational Experience Profile: OEP)を紹介する.そして,1)人々が直近で何をし,何を経験したかを評価し,2)作業経験と well-being の関係についてのユーザーの認識を促進するために,その価値を説明する.最後に,作業経験の定量的評価の拡大により,作業科学者が個人や集団の作業と well-being の関係を明らかにし続けることができるようになることを,いくつかの例を挙げて説明する.