- 著者
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Noboru MANABE
Akira MYOUMOTO
Yoshihiro KIMURA
Yuzuru IMAI
Miki SUGIMOTO
Hajime MIYAMOTO
Kazuhiro SAKAMAKI
Yoshinori OKAMURA
Manabu FUKUMOTO
- 出版者
- THE SOCIETY FOR REPRODUCTION AND DEVELOPMENT
- 雑誌
- Journal of Reproduction and Development (ISSN:09168818)
- 巻号頁・発行日
- vol.42, no.6, pp.j135-j141, 1996 (Released:2010-10-20)
- 被引用文献数
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哺乳類の卵母細胞は成熟する過程で選抜が行われて大部分の卵母細胞は選択的に死滅するが,この制御機構は未だ不明である.顕微鏡下に卵胞構成細胞を容易に分離調製できるブタ卵胞を材料として,二次卵胞から胞状卵胞に至る過程の卵胞退行における顆粒層細胞アポトーシスの役割とその制御について調べ,次のような結果を得た.はじめにTUNEL法および電顕法にて in situに卵胞退行にともなう顆粒層細胞アポトーシスの推移を観察した結果、内腔側の細胞から始まったアポトーシスは基底膜側に広がること,隣接する顆粒層細胞がアポトーシス小体を取り込むこと,および退行の進行した卵胞でも卵丘細胞にはアポトーシスが認められないことが分かった.なお,アポトーシスの開始は,ウシでは基底膜側から,齧歯類ではランダムであり,種属差があることも分かった.組織学的に見いだされた顆粒層細胞と卵丘細胞間の差異は生化学的に測定したエンドヌクレアーゼ活性の差異としても確認できた.すなわち,顆粒層細胞でのみ中性Ca2+/Mg2+-依存性エンドヌクレアーゼ活性の上昇を認めた.なお,ブタ顆粒層細胞アポトーシスには中性Ca2+-依存性,中性Mg2+-依存性および酸性カチオン非依存性エンドヌクレアーゼは関与しないことが分かった.ついで顆粒層細胞にアポトーシスを誘導できる単クローン抗体を作成し,これによって誘導される顆粒層細胞アポトーシスの進行がシステインプロテアーゼ阻害剤によって阻害されることをフローサイトメトリー法およびDNA電気泳動法にて確認した.顆粒層細胞では,アポトーシスシグナルの細胞内伝達にインターロイキン1β 転換酵素様プロテアーゼが関与していると考えられる.