著者
前川 和子 Kazuko MAEKAWA
出版者
大手前大学
雑誌
大手前大学論集 (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
no.15, pp.165-181, 2014

日本図書館学校(Japan Library School以下、JLS)は、日本で初めての大学学部レベルの図書館学教育が行われた。R. ギトラー(Robert Laurence Gitler, 1909-2004)が主任となり、アメリカから4人の教師と1人のライブラリアンが招聘され教育にあたった。そのレファレンスの科目では、担当者F. チェニー(Frances Neel Cheney, 1906-1996)によってMudge, Wyer, Bishopの各々のレファレンスの定義が紹介された。またこの科目では、日本の文献として渋谷国忠(1906-1969)の「参考事務要論」、今沢慈海(1882-1968)などが資料として使われている。これら日本の論文の何が評価されて、資料として使われることになったのか。本稿では、3人のレファレンス権威者とどのように繋がるのかを探り、渋谷の論文を評価したい。