著者
川上 永子 堀 芽実 濱元 一美 杉原 勝美 Eiko Kawakami Megumi Hori Kazumi Hamamoto Katsumi Sugihara
雑誌
四條畷学園大学リハビリテーション学部紀要 = Annual reports of Faculty of Rehabilitation, Shijonawate Gakuen University
巻号頁・発行日
vol.6, pp.37-41, 2010

著者は先行研究にて、歯磨きの専門家でない作業療法士が歯磨き訓練を実施する際の具体的な訓練方法を提案した. その方法は1.歯磨き訓練マニュアルによる個別指導、2.手鏡を用いた視覚的フィードバックによる個別指導の2点であった. 今回、もともと左利きで69歳時に左片麻痺、71歳時に右片麻痺を呈した症例を対象に歯磨き訓練を実施した. 症例は69歳時の左片麻痺発症時に右手への利き手交換にてADLは自立していたが、71歳時の発症にて右片麻痺の方が重度であったために、再度機能低下した左手でのADL獲得をもとめられている. 歯磨き訓練内容については前回の報告とほぼ同様の方法を用いた. ただし、実施期間は3ヶ月としOTRが直接指導するのは週5回とした. 判定は歯科衛生士によるO'Learyのプラークコントロールレコードにより口腔内の磨き残しを算出した. その結果、口腔内の磨き残しが顕著に減少し、口腔機能も改善したので考察を含め報告する.