著者
茂住 和世 モズミ カズヨ Kazuyo Mozumi
雑誌
東京情報大学研究論集
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.63-69, 2006-02-20

日本人大学生に、就職模擬面接というフォーマルな場面で彼らが過去に参加したプロジェクトについての説明を求めた。それを録音したものを書き起こし、その話し方のわかりにくい部分を抽出し、それらを言語的要因ごとに分析した。その結果、聞き手の理解を妨げる要因は19項目見つかり、それらは大きく、語彙・文法・表現・内容という4つのグループに分けられた。これらのわかりにくさの諸相の背景には、話すことが音声による情報伝達であること、及び、聞き手が知らない内容についてわかりやすく説明することの難しさがあると思われる。このように明らかになった彼らの話し方の問題点は、就職活動を控えた学生たちの話し方の訓練のために有用な情報であると言えよう。