著者
Yoon C. Kang S.H. Yang J.O. Noh D.J. Indiragandhi P. Kim G.H.
出版者
日本農薬学会
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.77-88, 2009 (Released:2011-03-05)

T型チューブの嗅覚計を用いて、精油17種類のチャバネゴキブリに対する忌避効果を調べた。柑橘類であるグレープフルーツ、レモン、ライムおよびオレンジより得たものを含む5種類の精油は、70.0から96.7%の範囲で良好な効果を示した。各精油はワモンゴキブリおよびクロゴキブリに対しても同等の活性を示した。ガスクロマトグラフィー(GC)およびGC-質量分析の解析から、柑橘油類のこの効果における主成分はリモネン、β-ピネンおよびγ-テルピネンであり、特にリモネンが主な成分であることがわかった。これらの化合物の忌避効果は用量とゴキブリの種によって異なった。オレンジ油を除く柑橘類の精油では、微量成分も忌避活性に寄与しているようであった。オレンジ油の場合には、活性の発現にはほとんどリモネンのみがかかわっていた。柑橘油および各テルペン類の活性において、3種類のゴキブリに対する忌避効果にはほとんど差がなかった。